コーチ・カウンセラーのためのFORTUNE式ブランディング術

問題解決の方法

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私たちは問題が生じたときにどういう行動をとるかというと、なぜ問題が生じたのかという原因を追究することをはじめにします。

 

「なぜこういう問題が発生したのか?」

「なんでこういう結果になったのか?」

「何が悪いんだ?」

「原因はなんなのか?」

「どうすれば解決できるのか?」

 

あなたも今、悩んでいる問題を心に描いて、それから上記の質問を自分自身に投げかけてみてください。

 

どうですか?自分が責められいる感覚を持ちませんか?責められるのが辛くなってきますよね。そして思考が働かなくなってきます。原因追求をしていくと、思考が停止してしまい考えることができなくなるのです。

 

実は問題には2種類があって原因が簡単にわかるものと原因を特定することができない問題があるのです。

 

蛍光灯が消えればその原因は球が切れたから、ブレーカーが落ちたか、停電を考えれば原因はどれかになるでしょう。

 

しかし、部下を一人前に成長させられないという原因は複雑で簡単には見つかりません。上司の指導力がないのか、部下の成長意欲がないのか、能力がないのか、あるいは互いの信頼関係がないのか、原因は複雑で特定できません。

 

原因が特定できない問題に原因追究の手法を使っても原因は特定できないのです。そういう問題に原因追求をしていくと、いつのまにか誰がいけないのかという、犯人探しにすり替わります。つまり「やる気がない部下がいけない」とか「指導力がない上司がいけない」という結果に陥りやすいのです。

 

ものづくりの分野では原因追求というのは大変重要です。トヨタでは「5なぜ」といって、「なぜ」を5回繰り返して徹底的に原因を追究します。

 

2万~3万点の部品から自動車はつくられますが、1つでも不良品の部品があれば車は不具合になります。必ず原因があるので原因追求する問題解決型アプローチが必要になるのです。

 

ソフトウェアのバグを探し出す作業も問題解決型アプローチが必要です。バグという原因は必ず存在するからです。

 

しかし人間関係の問題や人の育成がうまくいないことの原因を見つけることは簡単にいきません。原因が複雑だからです。

 

私たちは同じ原因追求の問題解決型アプローチしかしらないので、なんにでもそのアプローチで問題解決をしようとしてしまうのです。

 

私が若い頃に属していた空手の組織が問題解決型のアプローチしか知らないところで、なにか問題が起きると責任者を夜遅くまで「なぜそうなったんだ!」と詰問していました。それが原因で精神的におかしくなってしまった人が多くでました。

 

原因追求は人間関係の分野では百害あって一利なしです。

 

では、人間関係のような原因が特定しにくい分野ではどのような問題解決法があるのでしょうか。それは明日お伝えします。